「福岡・博多の観光で、どこに行こうか迷う……」そんな方におすすめしたいのが、福岡屈指の歴史スポット・東長寺です。
空海が日本で最初に建てたお寺と言われている東長寺には、日本最大級の福岡大仏、市の指定文化財である六角堂、ここでしか体験できない「地獄・極楽巡り」など、たくさんの見どころがあります。
さらに11月には「博多旧市街ライトアップウォーク」、2月には「節分大祭」が開催されるなど、秋から冬にかけてイベントも盛りだくさんです!
今回は、そんな東長寺の基本情報から観光の見どころ、周辺スポットまで詳しく紹介します。
東長寺の基本情報
東長寺の基本情報は以下のとおりです。
名称 | 東長寺 |
営業時間 | 9:00〜17:00 (大仏殿は16:45まで) |
所在地 | 福岡県福岡市博多区御供所町2-4 |
アクセス | Google Map |
詳細 | クロスロード福岡「東長寺」 |
東長寺は博多で日本最古の霊場として知られるお寺
東長寺は、806年頃に建立されたお寺です。
唐での修業を終えた空海(弘法大師)が、日本で最初に建てた寺と言われています。「東長寺」の名前は、空海が「真言密教が東でも長く伝わりますように」と願いを込めたことが由来だそうです。
また、大河ドラマで注目された福岡藩主・黒田家の墓所でもあります。さらに寺院の中には、国の重要文化財に指定された歴史的建造物も多く、見どころが豊富です。
秋から冬にかけては、たくさんの人が訪れるイベントも開催されます。歴史ファンの方はもちろん、観光で福岡の文化や歴史に触れたい方も楽しめること間違いなしのスポットです!
東長寺に来たら見てほしい観光の見どころ
東長寺に行ったら必ず見てほしい!観光の見どころを5つご紹介します。
- 開創1200年を記念して建設された「五重塔」
- 日本最大級の大きさを誇る木造坐像「福岡大仏」
- 福岡市の文化財にも指定!「六角堂」
- 平安時代に造られた重要文化財「千手観音菩薩」
- 弘法大師・空海をまつるお堂「大師堂」
開創1200年を記念して建設された「五重塔」
本堂の隣でひときわ目をひく「五重塔」は、2011年に開創1,200年を記念して建設されました。高さは約26mで、晴天のときもライトアップされたときも映える朱色が美しい塔です。
塔を見上げると、屋根の上に輪が何層にも重なった「相輪(そうりん)」があります。相輪の中にある「伏鉢(ふしばち)」には、お釈迦(しゃか)様の骨「仏舎利(ぶっしゃり)」が納められているそうです。
また、近くで見ると細かく美しい装飾が施されているのがわかります。春は塔のまわりにあるしだれ桜が咲き、いっそう風情のある景色が楽しめるのも魅力です。
日本最大級の大きさを誇る木造坐像「福岡大仏」
東長寺には「福岡大仏」と呼ばれる釈迦如来坐像があります。大仏自体の高さは10.8m、後ろの光背を含めると高さは約16mで、“日本最大級の大きさの木造坐像”と言われているんです。
福岡大仏に目がいきがちですが、後ろにある壁面まで目を凝らしてみましょう。大仏の背後には、約5,000もの小さな大仏が祀られています。
細かい部分をじっくり見てみると、いろんな発見があるかもしれません。
そして実は、福岡大仏の見どころはこれだけではありません。大仏の台座内には、必見のスポット「地獄・極楽巡り」があるんです……!「地獄・極楽巡り」については、後ほど詳しく紹介しますね。
福岡市の文化財にも指定!「六角堂」
山門から入って左側にある、1842年建立の「六角堂」は、福岡市の有形文化財に指定されています。
毎月28日と、後ほど紹介する「博多旧市街ライトアップウォーク」「節分大祭」の期間中のみ開帳される建物です。
中に入ると、仏像を安置する六角形の「仏龕(ぶつがん)」があります。六角堂の「仏龕」は、回転式であることが特色です。機能的ですぐれた構造と評価されています。
安置されている仏像は「弘法大師像」「文殊菩薩像」「地蔵菩薩像」「薬師如来像」「白衣観音像」「北辰霊符神像」の6体です。厨子扉には、当時描かれた書画も飾られています。
平安時代に造られた重要文化財「千手観音菩薩」
東長寺の本堂にまつられている「千手観音菩薩」は、平安時代に造られたものとして伝わっています。国の重要文化財にも指定されている、たいへん貴重な作品です。
「千手観音菩薩」の姿が見られるタイミングは、1年に3回だけと限られています。
- 2月3日の節分大祭
- 6月15日の弘法大師誕生祭
- 10月20日の土砂加持法要
また、千手観音菩薩のほかに、東長寺の本堂には「不動明王像」「弘法大師像」も安置されています。神聖な仏像が見られる特別な日に、足を運んでみてはいかがでしょうか。
弘法大師・空海をまつるお堂「大師堂」
五重塔の隣には「大師堂」があります。東長寺に深いゆかりのある弘法大師・空海が「自分自身を彫った」と言われている像がまつられているお堂です。
大師堂に近づいてみると、つり下げられた巨大な数珠が目に入ります。触っていいのかな?と思うかもしれませんが、数珠を手前にやさしく引っぱってみましょう。
すると上から、木の珠がカチンと音を立てて落ちてきます。数珠を手前に引いて回すと、煩悩が払われるのだとか。身も心も洗われる体験ができるスポットです。
東長寺に行ったら挑戦してみよう!「地獄・極楽巡り」
東長寺でぜひ挑戦してみてほしいのが、福岡大仏の台座内にある「地獄・極楽巡り」です。“死の世界を体験して再度生き返り、穢れや悩みを落とす”ためのものとされています。
中に入ると、おどろおどろしい地獄を描いた絵が飾られた道が続きます。さらに先に進むと真っ暗闇に包まれた通路に変わるので、手すりを頼りに先へ進みましょう。
実はこの暗闇の中には、見つけると極楽に行けるという「仏の輪」がどこかにあるそうです。前に進むのもやっとな暗闇の中ですが、余裕があれば「仏の輪」を探してみてください。
ちなみに「仏の輪」が見つからなくとも、暗闇を抜けた先には極楽の絵が待っています。極楽を目指し、勇気を持って進みましょう!
お土産に購入したい!東長寺で購入できる御朱印・お守り
福岡屈指の歴史スポット・東長寺を訪れたら、お土産も忘れずにゲットして帰りましょう。おすすめは、御朱印とお守りです。
東長寺では、密教のお寺ならではの「梵字(ぼんじ)」の入った珍しい御朱印がいただけます。初穂料は300円です。
御朱印帳を持っていない方は、東長寺オリジナルの御朱印帳も合わせてチェックしてみてください。
お守りの種類も豊富なので、ご利益や自身の好みに合わせて選んでみましょう。お守りの一番人気は、ストラップと魔よけの鈴がついた「龍神水琴鈴」です。
毎年開催されている東長寺の行事・イベント
東長寺では毎年、多くの人が訪れる人気行事・イベントも開催されているんです。毎月行われている行事とあわせてチェックしていきましょう。
- 2023年も開催!「博多旧市街ライトアップウォーク」
- 多くの参拝客でにぎわう「東長寺節分大祭」
- 毎月1日&28日に行われる「護摩焚き」
2023年も開催!「博多旧市街ライトアップウォーク」
名称 | 博多旧市街ライトアップウォーク |
開催日 | 2023年11月2日(木)〜5日(日) |
点灯時間 | 17:30〜21:00 (入場は20:45まで) |
公式サイト | 詳細を見る |
「博多旧市街ライトアップウォーク」は「博多の歴史的建造物に、もっと親しんでもらいたい」という思いから始まりました。
開催期間中、会場となっている寺社が美しくライトアップされます。今では福岡の秋の風物詩として愛されているイベントです。
東長寺も会場の一つで、普段とはまた異なる美しい姿を見せてくれます。「博多旧市街ライトアップウォーク」の期間中は六角堂の開帳も行っているので、忘れずに見届けましょう。
2023年のライティングテーマは「華」と発表されました。東長寺をはじめとする福岡の歴史ある寺社が、美しく華やかに輝く姿が楽しみですね。
多くの参拝客でにぎわう「東長寺節分大祭」
名称 | 東長寺節分大祭 |
開催日 | 例年2月2日、3日 |
公式サイト | 詳細を見る |
東長寺で節分の時期に行われる「東長寺節分大祭」は、福岡で最も古い節分祭と言われています。毎年多くの人が訪れる大人気のイベントです。
豆まきは、2月2日の前日祭、3日の節分大祭の両日に行われます。特設舞台が設置され、餅やみかん、お菓子など、豆以外のものもたくさんまかれるところもユニークです。
事前に応募すれば、豆をまく側に参加することもできますよ!
さらに東長寺の節分祭は、福引や甘酒が楽しめたり、切り絵や七福神などの縁起物が購入できたりと、見どころが豊富です。節分大祭で公開される、千手観音像や六角堂もぜひ見届けましょう。
毎月1日&28日に行われる「護摩焚き」
名称 | 護摩焚き |
開催日 | 毎月1日、28日 |
開催時間 | 14:00〜(1時間程度) |
護摩焚きは、お経を唱えながら護摩木を燃やし、祈祷を行うことでご利益をいただく儀式の一つです。東長寺では、毎月1日と28日に不動明王の護摩焚きを行っています。
護摩焚きに参加することで、邪気が払われたようなスッキリとした気分になれるそうです。確かに炎を見つめることで、静かに自分を見つめ直す時間が過ごせそうですね。
東長寺周辺で行きたい福岡の観光スポット
東長寺周辺には他にも、福岡で有名な観光スポットがあります。東長寺での観光をかねて、博多歴史スポット巡り&ショッピングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
- 櫛田神社(博多区上川端)
- キャナルシティ博多(博多区住吉)
- 聖福寺(博多区御供所町)
櫛田神社(博多区上川端)
名称 | 櫛田神社 |
営業時間 | 開門時間:4:00〜22:00 社務:9:00〜17:00 |
所在地 | 福岡県福岡市博多区上川端町1-41 |
アクセス | Google Map |
詳細 | クロスロード福岡「櫛田神社」 |
上川端にある「櫛田神社」も、東長寺と並ぶ福岡の有名な歴史的建造物です。地元民からは「お櫛田さん」の愛称で親しまれています。
福岡の夏の風物詩「博多祇園山笠」が奉納されており、飾り山笠の展示を鑑賞できますよ。
東長寺からは徒歩6分ほどの場所にあるので、博多駅周辺での歴史スポット巡りにぴったりです。
キャナルシティ博多(博多区住吉)
名称 | キャナルシティ博多 |
営業時間 | ショップ:10:00~21:00 レストラン:11:00~23:00 |
所在地 | 福岡県福岡市博多区住吉1丁目2 |
アクセス | Google Map |
公式サイト | 詳細を見る |
東長寺から8分ほど歩いたところには、複合商業施設「キャナルシティ福岡」があります。
ショッピングモールとして数多くのお店があるだけでなく、映画館やライブパフォーマンスが行われるステージ、劇場も備えている見どころの多いスポットです。
観光の場合は、5階にある「ラーメンスタジアム」をのぞいてみてください。名物の博多とんこつラーメンをはじめとする、全国の名店が集結していますよ。
「ラーメンスタジアム」以外にも飲食店が豊富なので、東長寺などの寺社巡りの合間に訪れるのもおすすめです。
聖福寺(博多区御供所町)
名称 | 聖福寺 |
所在地 | 福岡市博多区御供所町6-1 |
アクセス | Google Map |
公式サイト | 詳細を見る |
「聖福寺」は、日本で生まれた最初の禅寺として知られています。中国で禅宗を学んできた栄西(ようさい)禅師によって、1195年に建てられました。境内は、国の史跡に指定されています。
禅寺のため、東長寺や櫛田神社とはまた異なる、飾り気の少ないシンプルな建造物が立ち並んでいるのが特徴です。緑も多く、静かで神聖な空気が漂います。
博多駅周辺で寺社巡りをするなら、東長寺や櫛田神社だけでなく、聖福寺にも足を運んでみましょう。
東長寺へのアクセス情報
- 東長寺の最寄駅:地下鉄空港線「祇園駅」
- 博多駅からの所要時間:徒歩10分
東長寺に最も近い駅は、地下鉄空港線「祇園駅」です。1番出口から出てすぐの場所に、東長寺がありますよ。
観光の場合は、博多駅から歩いてみるのもおすすめです。博多口を出て「大博通り」沿いを10分ほど歩くと、東長寺正面の山門にたどり着きます。
まとめ|福岡で歴史ある東長寺へ足を運んでみて!
博多駅から歩いていける東長寺は、見どころが盛りだくさんの観光スポットです。
歴史を感じることはもちろん、福岡大仏を目の前にしたり、地獄・極楽巡りに挑戦したりすることで、たくさんのパワーが得られるでしょう。
筆者はせっかく福岡で暮らし始めたので、東長寺の節分大祭に参加したいなと思っています。豆はもちろん、それ以外のお菓子やお餅もゲットしてみたいです!
観光で福岡にお越しの際は、福岡の魅力的な歴史スポット・東長寺に足を運んでみてください。