何千万年もの時間が作り出した自然の彫刻、鍾乳洞。国の天然記念物にも認定された千仏鍾乳洞が北九州市小倉南区に存在します。
「穴があったら入りたい!冒険心がくすぐられる!」と、全国各地には鍾乳洞マニアもいるほど意外と人気なんです。
自然が作り出す神秘的な鍾乳石は今もなお進化し続けています。
【千仏鍾乳洞】
北九州市平尾台の鍾乳洞が神秘的絶景で話題です💡実は鍾乳洞マニアの中で話題らしいです..!!#平尾台 #絶景 #北九州 #千仏鍾乳洞 #福岡観光https://t.co/ncyQyeD8u2 pic.twitter.com/RV7Gxie5wX
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中でも千仏鍾乳洞は「これほど自然を直で感じられる鍾乳洞は珍しい」や「まるで自然が作り出した美術館のようだ」と鍾乳洞マニアの中でも高く評価されている人気スポットとなっています。
本記事では、福岡を代表する千仏鍾乳洞の魅力についてたっぷりご紹介させていただきます!
千仏鍾乳洞の基本情報
写真提供:北九州市観光情報サイト
名称 | 千仏鍾乳洞(せんぶつしょうにゅうどう) |
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所在地 | 福岡県北九州市小倉南区平尾台3-2-1 |
営業時間 | 【月~金】9:00~17:00 【土日祝】9:00~18:00 ※夏休み期間も18:00まで営業 ※秋・冬期は安全のため日没まで |
定休日 | 年中無休 |
駐車場 | 無料P100台あり |
地図 | Google Mapを開く |
千仏鍾乳洞のアクセスと行き方
[ac-box01 title=”車”]一般道では、国道322号線を小倉南方面へ約40分。高速道路を利用する場合、小倉南ICから322号線を南へ15分ほどで平尾台へ到着します。道中「平尾台」の看板がチラホラ出てくるので、看板通りに行けば迷うことはないでしょう。 [/ac-box01] [ac-box01 title=”電車・バス”]JR小倉駅から日田彦山線下りの「石原町駅」へ行き、おでかけ交通という9人乗りのジャンボタクシーを利用して「平尾台自然観察センター」で下車して下さい。(乗車時間は20分ほど)[/ac-box01]
おでかけ交通のジャンボタクシーは9:00~17:00の間、3名以上であれば予約も可能です。運賃は大人600円、子供300円かかります。
千仏鍾乳洞の入洞料金
大人 | 900円 |
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高校生 | 600円 |
中学生 | 500円 |
小学生 | 400円 |
幼児(4歳以上) | 200円 |
サンダル(ゴム草履)は無料で貸し出ししています。
入り口近くにコインロッカーがあるので、濡れて困る手荷物はロッカーを利用しましょう。売店には新品タオルも販売しています。
千仏鍾乳洞の魅力
鍾乳洞って何が楽しいの?と思う方もいるでしょう。そんな方へ千仏鍾乳洞に足を運びたくなるような魅力をご紹介いたします。
①数千万年の自然の彫刻
千仏鍾乳洞ができた正確な年代は不明ですが、鍾乳洞とは幾千万年という長い長い月日をかけてカルスト台地の雨水で作られています。
千仏鍾乳洞だけでなく平尾台の一面に広がる高原は、映画のワンシーンに出てきそうなくらい美しい光景です。
人の手はほとんど加えられていない鍾乳洞内。道も狭く険しく、上からもポタポタと水が落ちてきます。まるで天然の冷蔵庫のようでマイナスイオンも感じられます。
写真提供:北九州市観光情報サイト
何万年も前からゆっくりと成長してきた鍾乳石がたくさんあり、360度どこを見ても息をのむほど神秘的です。
入り口では大小30あまりの鍾乳石が垂れ下がっていて“自然が作り出した岩のカーテン”とも呼ばれています。
他にも、巨大な鍾乳石の“巨乳”や地下水路を塞ぐように上から垂れ下がる2つの鍾乳石“初音乳”などユニークな名前のついた鍾乳石が多くあります。
洞内には照明の灯りだけで育つ植物もあり、本当に不思議な力を感じます。
前や足元を見て歩くことが精一杯になりがちですが、余裕があれば天井も見上げて欲しいです。未だ成長途中の小さな鍾乳石がいくつもあります。
②冒険気分を味わえる鍾乳洞
写真提供:北九州市観光情報サイト
千仏鍾乳洞は駐車場からすでに冒険が始まります。駐車場から鍾乳洞の入り口まで徒歩4分(220mくらい)あるんですが、少し急勾配な石段になっているため杖が用意されているんです。
靴を履き替えたり懐中電灯を用意していると自分の装備を整えている気分になり、まるでRPGの世界。まさにダンジョン前です。
鍾乳洞の入り口から「この先に何があるのだろう」とワクワクさせてくれます。冒険の始まりです。
岩にしがみつきながら一歩一歩前進して行き、しゃがまないと通れないほどの狭い道や滑りやすい場所にも出くわします。
他の鍾乳洞では道が整備されていたり、水の中まで入れる所は数少ないんです。
千仏鍾乳洞では、実際に鍾乳石に触れられるどころか水流の中に入ることもできる唯一の鍾乳洞となっています。見るだけじゃない、体感できる千仏鍾乳洞で気分はすっかり探検家です。
地獄トンネルの先は真っ暗
写真提供:北九州市観光情報サイト
入り口から900m進んだ地点、“堀サク門”までは電気照明がついています。そこから先は“地獄トンネル”と呼ばれ照明がなくなるため、懐中電灯が必須です。
子供連れの洞窟内は暗くて危険?
4歳以上から200円の入洞料がかかりますが、小さなお子様は900m地点の堀サク門までが安全です。(ここで折り返すのが一般的なルートです)
お子様連れのご家族もよく見かけますが、堀サク門から先は電気照明もなく、大人1人ギリギリ通れるほどの狭さです。
人の行き来もありお子様を抱えて通るのも難しく、雨が降った翌日などは鍾乳洞内の水位も増しています。
怪我などの原因にもなるため、子供連れの方は無理せず引き返しましょう。
千仏鍾乳洞の歴史
写真提供:北九州市観光情報サイト
カルスト台地が広がる平尾台にはいくつもの鍾乳洞が存在します。その中の1つの千仏鍾乳洞は、何千万年のときを経て自然が作り出したもの。
入洞できる所までが全長ではなく、人が入ることの出来ない洞窟の先があるため、現在でも全長は不明とされています。
昭和10年に国の天然記念物に指定され、平尾台では1番有名な鍾乳洞です。入り口付近にある“天蓋岩”は日本ケイビング協会にも認定されている鍾乳石です。
他にもユニークな名前の鍾乳石があり、外国人観光客にも人気のスポットとなっています。
千仏鍾乳洞の体感温度
千仏鍾乳洞の中は一年を通して大きな気温の変化はなく常に気温16度、水温14度くらいを保っています。
夏は涼しい
千仏鍾乳洞は真夏の暑い日にもってこいの人気スポットです。
入り口から480mほど進んだら足下は冷たい水で覆われているため、水の中をジャブジャブ歩くことになります。暑い日に冷たい水流を歩くのはかなり涼しく爽快です。
冬は暖かい
気温が16度の洞窟内は、風も防げるため真冬でも暖かく感じます。しかし、水温は14度なのでかなり冷たいです。
天井からしたたり落ちる水滴が頭や肩にポツッとかかると鳥肌が立つことも。480m以上、先に進む方は足先の冷えにご注意。
千仏鍾乳洞へ行くときの服装や靴事情
千仏鍾乳洞へ行くときは、山登りするような心構えがいいかもしれません。軽装で、念のため下着の着替えまで用意しておくと気にせず楽しめます。
・クロックスのようなゴム草履
・汚れてもいいTシャツ
・膝上までまくれるズボン
大人の膝下くらいまで深い場所もあるため、お子様は水着でもいいでしょう。ゴム草履の無料レンタルもありますが、筆者は潔癖症なのでサンダルを持参しました。
千仏鍾乳洞の所有時間
距離 | 中継地点 | 所有時間 |
入り口から480m | 奥の細道(ここから水流) | 約10分 |
入り口から900m | 堀サク門(照明はここまで) | 約20分 |
入り口から1,200m | 第三の滝(最終地点) | 約40分 |
奥の細道までは水流がないのでスニーカーでも入洞できます。入り口から900m地点の堀サク門から電気照明がなくなるため、懐中電灯が必要です。
さらに、堀サク門から先は道が細く険しくなり、人が行き来するのに譲り合うためそれなりの時間がかかります。
千仏鍾乳洞まとめ
写真提供:北九州市観光情報サイト
・千仏鍾乳洞は国の天然記念物
・1年を通して気温16度、水温14度
・濡れてもいい軽装がおすすめ
・最終地点まで行くにはライト必須!
平尾台の千仏鍾乳洞をご紹介いたしましたが、平尾台には他にも入洞できる鍾乳洞が2つ存在します。カルスト台地なので、人間が入れない鍾乳洞も何百とあるのです。
千仏鍾乳洞の売店には名物の“カルストまんじゅう(100円)”というさつま芋の餡が入った饅頭も販売していますので、そちらもぜひ食べてみて下さい。
他にも、お食事処やキャンプ場、草スキーができる公園もあるので1日中自然の中で遊べますよ♪