三社参りとはその名の通り「3つの神社を参拝すること」です。三社参りは福岡県民にとってなじみ深く、正月の恒例行事とされています。
2024年はコロナが明けて初めての正月を迎えるため、例年よりも三社参りへの思いを強めている人もいるでしょう。
そこで本記事では「2024年は絶対三社参りをしたい!」という方に向けて、おすすめの神社と回り方を解説します!博多発の三社参りバスツアーについても紹介しますので、最後までお見逃しなく!
実は福岡だけ!?三社参りを行う風習が根付いた理由
三社参りは、福岡県を中心とする九州地方と中国地方の一部に根付いている風習です。
三社参りの由来は諸説ありますが、源頼朝が箱根神社(神奈川)・伊豆山神社(静岡)・三島大社(静岡)を参拝したのが始まりだったのではないかと言われています。福岡に三社参りが広まったのは江戸時代のようです。
「源頼朝が三社参りをしていた」と知った福岡・黒田藩の武士たちが、住吉神社・日吉神社・筥崎宮に参拝するようになり、庶民にも広まりました。(諸説あり)
知っておきたい三社参りのルールやポイント
三社参りをする前に知っておきたいルールやポイントを解説します。
参拝する神社は基本的にどこでもOK
三社参りで参拝する神社は基本的にどの神社でもOKです。住んでいる場所や職場の近くなど、自分が行きたい神社を選ぶとよいでしょう。
地域によっては三社参り定番の神社が存在するケースもありますが、「ここの神社に行かなければならない」というルールは存在しません。毎年参拝する神社を変えたり、旅行ついでに県外の神社に訪れたりしても大丈夫です。
所在地やご利益を事前に調べ、行きたい神社を訪れましょう。
三が日に行かなくてもよい
三社参りに行くのは「三が日以内」というルールは定められていません。三が日以内に済ませる人が多い傾向にありますが、いつ行くのかは個人の自由です。極端にいうと、1年の間に三社参れば「三社参り」になります。
正月はゆったりと家で過ごしたい方もいれば、元旦になったらすぐ三社参りに出発したい方もいるでしょう。
神社を回る順番は自分で決められる
三社参りの神社を回る順番は自分で決められます。好きな神社を好きな順番で回ってよいので、順番を決める基準は人それぞれでかまいません。
1日で三社回りたい方は自宅から遠くの神社を始めとし、自宅に向かって神社を回るのがおすすめです。神社の規模感やご利益を考慮して、回る順番を決めるのもよいでしょう。
また初詣シーズンの神社には多数の露店が出店します。露店の数や周辺の観光スポットを調べたうえで、回る順番を決めるのもおすすめです。
福岡で三社参りの定番と言われている3つの神社
福岡県で三社参りの定番とされている3つの神社をご紹介します。
3つの日本一と光の道が有名な「宮地嶽神社」
福岡県福津市にある宮地嶽神社は、全国にある宮地嶽神社の総本山です。開運や商売繁盛のご利益があり、三が日には約100万人が参拝に訪れます。CMで取り上げられた「光の道」により、全国的に知名度があがりました。
宮地嶽神社には「大注連縄」「大鈴」「大太鼓」の3つの日本一が存在します。大鈴と大太鼓は本殿に向かう途中にあるので、忘れずに写真を撮っておきましょう。
本殿につくと宮地嶽神社のシンボル大注連縄が出迎えてくれます。大注連縄は毎年取り替えられており、迫力かつ美しい姿です。
また宮地嶽神社の敷地内には「奥の宮八社」と呼ばれる小さな神社が8つあります。「すべて回ると大願が叶う」と言われているので、気になる方はぜひ回ってみてくださいね。
厄よけ・勝運の神社「筥崎宮」
福岡市東区にある筥崎宮は、日本三大八幡宮のひとつです。蒙古襲来時に吹いた「神風」に打ち勝ったことから、厄よけ・勝運のご利益があるとされています。アビスパ福岡や福岡ソフトバンクなど、プロスポーツチームが必勝祈願に訪れる神社としても有名です。
筥崎宮では毎年1月3日に「玉せせり」と呼ばれる伝統神事が行われます。「玉せせり」はふんどし姿の競り子が水を浴びながら玉を奪い合う神事です。玉に触れた人は幸運が訪れると言われています。
「玉せせり」の際には露店が約120軒立ち並び、筥崎宮名物「社日餅(やきもち)」も味わえますよ。
2024年が勝負の年になる人は、ぜひ筥崎宮に足を運んでみてください。
学問の神を祀る「太宰府天満宮」
太宰府市にある太宰府天満宮は、学問の神様「菅原道真公」を祀る天満宮の総本山です。福岡県で最も知名度の高い神社で、全国から受験を控えた学生が訪れます。三が日には約200万人の参拝客でにぎわい、参道は本殿に向かう人で行列ができるほどの人気ぶりです。
太宰府天満宮では2023年5月から3年間かけて、124年ぶりの大改修が行われています。改修期間中は本殿の代わりに仮殿が設置され、例年通り参拝が可能です。
仮殿は道真公を慕う梅の木が一夜で飛んできた「飛梅伝説」をコンセプトにデザイン・設計されました。近代的かつおしゃれな仮殿を見られるのは、改修中の3年間だけです。
受験を控えていない方も、ぜひ太宰府天満宮へ参拝に行きましょう!
福岡市内で三社参りしやすいおすすめの神社
福岡市内で三社参りにおすすめの神社を3つご紹介します。駅近でアクセスしやすい神社をセレクトしました。
不老長寿のご利益がある「櫛田神社」
福岡市博多区にある櫛田神社は、博多の総鎮守(国や土地を守る神社や寺)として最古の歴史をもつ神社です。博多祇園山笠が奉納される神社としてご存じの方も多いでしょう。
櫛田神社は不老長寿・商売繁盛のご利益があるとされ、正月には多くの人が訪れます。櫛田神社前駅から徒歩2~3分かつ、博多駅からも徒歩圏内でアクセス抜群です。
また本殿の脇には地下から湧き出る霊泉「霊泉鶴の井戸(れいせんつるのいど)」があり、飲むと不老長寿になれると言われています。口コミによると霊泉の味は苦くてしょっぱいそうです……!
櫛田神社周辺は、JR博多シティやキャナルシティ博多などの商業施設も充実しています。
参拝後に初売りにいくのもおすすめですよ。
天神のど真ん中でアクセス抜群「警固神社」
福岡一の繁華街・天神のど真ん中に位置する警固神社は、厄よけ・必勝・合格祈願のご利益があるとされています。400年以上前に創建された警固神社は「警固公園」と隣接しており、天神のオアシス的存在として地元民に親しまれてきました。
警固神社は西鉄福岡天神駅・地下鉄天神駅から徒歩5分圏内でアクセス抜群です。周辺には多数の商業施設や百貨店が立ち並んでおり、年始めのデートや家族のおでかけにも向いています。
個人的に警固神社で体験していただきたいのが「足湯」です。天然ミネラルたっぷりの足湯は、三社参りや年末の疲れを癒してくれますよ。
足湯の利用は無料ですが、お賽銭箱が設置されています。少額でもいいのでお気持ちを納めましょう。
三が日は混雑が予想されるので、足湯を体験してみたい方は三が日以外に訪れるのがおすすめです。
商売繁盛の定番「十日恵比須神社」
福岡市博多区にある十日恵比須神社は、商売繁盛の「えびすさま」と、縁結びの「だいこくさま」を祀る神社です。
とくに商売繁盛のご利益が有名で、1月8日~11日にかけて開催される「十日恵比須神社正月大祭」には、経営者を中心に約100万人が訪れます。
「三が日かつ日帰りで三社参りをしたい」という方には、十日恵比寿神社がぴったりです。正月大祭期間中は大変にぎわう十日恵比須神社ですが、三が日は比較的空いています。ゆったりと参拝できるため、他の神社を回る体力や時間を残せるのが魅力ですよ。
「コロナ明けでまだ人混みが気になる」という方にもおすすめの神社です。
2024年は年明けに開催される三社参りバスツアーもある!
各旅行会社では、2024年の年明けに向けて三社参りバスツアーが企画されています。福岡から参加できる三社参りバスツアーを2つご紹介しましょう。
1月2日発出発決定!福岡が誇る三社参りバスツアー(クラブツーリズム)
開催日 | 2024年1月2・3・6・7日 |
出発地 | 博多 |
日数 | 日帰り |
料金 | 5,990円 |
公式HP | 詳細を見る |
クラブツーリズムが企画するバスツアーでは、三社参りの定番である太宰府天満宮・筥崎宮・宮地嶽神社を参拝できます。
8時10分に博多を出発し、太宰府天満宮→筥崎宮→宮地嶽神社の順で回ったあと、16時40分に博多に戻ってくるスケジュールです。移動時間を除くと、1つの神社当たり約2時間程度滞在できる計算になります。
ツアーには食事がついていないため、昼食は神社周辺のレストランや露店で済ませましょう。
ホームページからの受付は出発の2日前までです。
博多発着!山口三社参りバスツアーも新鮮でおすすめ(阪急交通社)
開催日 | 2024年1月4日~2024年1月14日 |
出発地 | 博多駅 |
日数 | 日帰り |
料金 | 9,900円 |
公式HP | 詳細を見る |
阪急交通社が企画する山口三社参りバスツアーでは、山口県を代表する赤間神宮・防府天満宮・琴崎八幡宮を参拝できます。壇ノ浦で入水した安徳天皇を祀る赤間神宮には家内安全のご利益があります。朱色の水天門は美しく、見ごたえ満点です……!
防府天満宮は、学力向上のご利益がある神社です。太宰府天満宮と並ぶ「日本三大天神」のひとつで、全国から数多くの受験生が合格を祈願して足を運びます。
琴崎八幡宮は、縁結び・安産のご利益がある神社です。地元民から「はちまんさま」と慕われる神社で、県内外から参拝客が訪れます。
阪急交通社が企画する三社参りバスツアーでは、ランチに「新春御前」が食べられます。おせち料理も含まれているので、正月気分を満喫できますよ!
まとめ|福岡のお正月は三社参りで年明けをスタートしよう!
本記事では、福岡で三社参りにおすすめの神社についてご紹介しました。
実を言うと福岡県民である筆者は、まだ三社参りをしたことがありません。今回三社参りの由来や歴史を知って、「2024年は三社参りにチャレンジしてみたい!」と感じました。
福岡県民でありながら、福岡特有の文化に触れないのはもったいないですよね。
ぜひみなさんも三社参りで2024年を楽しくスタートさせましょう!