福岡は全国でも古墳の数が多い都道府県です!その数なんと、1万1,100基ほどあると言われています!福岡を含む九州の古墳は、装飾古墳とよばれる非常に珍しいタイプです。
装飾古墳のなかでも、福岡にある「王塚古墳」は国の特別史跡に登録されています!古墳に興味ある方は、ぜひ足を運んで欲しい場所です。
本記事では、福岡と関係する古墳の歴史や、見ごたえのある古墳をご紹介します!さらに、子連れで楽しめる古墳公園と古墳イベントについても紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
実は福岡県内にある古墳は約1万1,000基!その数全国で7位
3世紀半ば〜7世紀末の「古墳時代」に作られた古墳は日本全国で約16万基ほどあります。
福岡県にある古墳の数は約1万1,000基であり、全国でも7番目に多い数です。最近では、福岡の古墳をめぐる旅が、ちょっとしたブームになっています!
福岡の古墳の形は前方後円墳・円墳・方墳の3種類が主です。前方後円墳は埋葬者が大和朝廷から認められた証と言われています。そのため、前方後円墳がある地域は、強い権力を持つ人が治めていたことが示唆されます。
古墳見学では、石室だけでなく巨大な石盾や石人石馬といった珍しい出土品も併せて見学するのがおすすめです!出土品で有名な埴輪は、死者の魂を守ったり鎮めたりするモノと考えられています。
九州各地では『装飾古墳』が独自文化として広がっていった
引用:https://www.crossroadfukuoka.jp/
装飾古墳とは、石棺や石室に彫刻・線刻・彩色などを用いて文様や絵画などの装飾を施した古墳です。4世紀末頃から7世紀頃までに造られており、全国に約660基しかないと言われています。そのうち、約3割の195基は熊本県に集中します。
最近では、九州で独自発展した装飾古墳は東日本まで広がりを見せていることが判明しています。
熊本県の八代海沿岸部で始まった装飾古墳は、6世紀に筑後川流域に広がり、やがて北部九州に広がります。その後、7世紀にかけて関東や東北地方まで広がりました。
装飾古墳のみどころは、壁面に描かれているさまざまな文様です。文様には下記の種類があります。
- 幾何学的な文様(円文・三角文)
- 器財器物文様(盾・弓)
- 人物鳥獣文様(人物・馬)
文様の組合わせによって、古代の人々は当時の思想やメッセージを伝えていると考えられています。そのため、何を伝えようとしていたのか思いを巡らせることで、古代の人々に近づけるかもしれませんよ!装飾古墳に足を運んだ際は、想像力をはたらかせましょう!
ぜひ行って欲しい!福岡で有名な古墳・古墳群
福岡に訪れたなら、1度は訪れてほしい古墳を紹介します!
王塚古墳(嘉穂郡)
名称 | 王塚古墳 |
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所在地 | 嘉穂郡桂川町寿命 |
アクセス | Google Map |
公式HP | 詳細はコチラ |
王塚古墳は、6世紀前半に作られたと考えられる前方後円墳です。非常に豪華絢爛な装飾がみどころです!昭和27年には、装飾古墳で唯一、国の特別史跡に指定されています。
最大の特徴は、壁面に赤・黄・緑・黒・白・灰の6色で描かれた靫(矢筒)・盾・騎馬・珠文・双脚輪状文・わらび手文・三角文などの文様が配列されている点です。柄が入った装飾古墳は珍しく、日本を代表する超一級の装飾古墳と言われています。
日頃は、古墳内に入っての鑑賞はできません。しかし、となりにある王塚装飾古墳館では、王塚古墳の実物大の石室を再現しています!実物大のレプリカなので、ありのままを体験できるだけでなく、触れられるのでおすすめです。
王塚装飾古墳館では、ほかにも全国の代表的な装飾古墳などを紹介したり、出土品のレプリカを展示したりしています。王塚古墳に足を運んだ際は、併せて訪ねてみてください。
春と秋の年2回、王塚古墳の実物の壁画を見られる特別公開を実施中です!
岩戸山古墳(八女市)
引用:https://www.city.yame.fukuoka.jp
名称 | 岩戸山古墳 |
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所在地 | 八女市吉田 |
アクセス | Google Map |
公式HP | 詳細はコチラ |
岩戸山古墳は墳丘長約135m・後円部の高さ約18mで、九州北部にある古墳の中で最大級の前方後円墳です。300基余りからなる八女古墳群の1つです。
日本に現存する古墳の多くは、埋葬者が誰なのかわかっていません。しかし、岩戸山古墳の埋葬者は判明しています!6世紀初期に大和朝廷に反乱した有力者、筑紫君磐井(つくしのきみいわい)です。
つまり、築造者と築造年代がわかる、国内で非常に貴重な古墳です!しかし、内部調査はまだ行われておらず、将来的に新たな発見が得られるかもしれません。
岩戸山古墳の周辺には、300基ほどの古墳が点在しています。八女古墳群の一部であり、併せて見学するのがおすすめです。
八女市が古墳をめぐるバスツアーを運行していることもあります!タイミングがあえばぜひ、利用してみてください。
五郎山古墳(筑紫野市)
引用:https://www.city.chikushino.fukuoka.jp/
名称 | 五郎山古墳 |
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所在地 | 筑紫野市原田3丁目9−5 |
アクセス | Google Map |
公式HP | 詳細はコチラ |
五郎山古墳は、直径約35mの装飾壁画を持つ6世紀後半の円墳型の装飾古墳です。円墳としては福岡市で最大級の規模を誇ります!
昭和22(1947)年に発見され、国史跡に指定されました。壁画には、赤、緑、黒の3色を用いて人物、動物、船、家などの文様が描かれています。築造された当初の姿に墳丘を復元整備しており、観察室から石室内部を見ることが可能です!
また、併設している五郎山古墳館には、壁画を再現した実物大の石室模型があります。羨道部分は可動式なので、内部を見学しやすい構造となっているのは嬉しいポイントです!
相島積石塚群(糟屋郡)
引用:https://www.town.shingu.fukuoka.jp/soshiki/sangyo_shinko/3/3/1066.html
名称 | 相島積石塚群 |
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所在地 | 糟屋郡新宮町相島 長井浜 |
アクセス | Google Map |
公式HP | 詳細はコチラ |
国史跡に指定されている、積石塚群です。古墳の形は方墳と円墳が半々で点在しており、254基ほどの積石塚がみつかっています。石室の作りはさまざまで、箱式石棺・竪穴系横口式石室・横穴式石室などの形が見受けられます。
新宮町の相島では、4〜6世紀頃に朝鮮半島にあった国「伽耶」のモノと思われる須恵器が発見されました!そのため、相島と朝鮮半島は何かしらのつながりがあったと考えられます。また、朝鮮半島は積石塚の起源と言われており、相島積石塚群は朝鮮半島の影響で形成されたことが示唆されます。
海沿いに形成された相島積石塚群は、大自然を感じられる古墳群です。古代の人たちが、どうして海沿いにお墓を建てたのか、思いを馳せてみてはいかがですか。
相島積石塚群周辺は足元が悪いので、歩きやすい靴を履いていきましょう。
竹原古墳(宮若市)
引用:https://www.city.miyawaka.lg.jpl
名称 | 竹原古墳 |
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所在地 | 宮若市竹原734−3 |
アクセス | Google Map |
公式HP | 詳細はコチラ |
約1500年前の6世紀後半ごろに築造された、国内屈指の彩色壁画を持つ装飾古墳です。そのため、国史跡に指定されています。
古墳の大きさは、直径約18m・高さ約6mの円墳で、内部は複室の横穴式石室です。後室の奥壁と前室の両袖石に、赤と黒の2色で壁画が描かれています。竹原古墳の壁画には馬や波、人物など形象的な図文が約10種類描かれているのが特徴です。
壁画に描かれた図文に、龍や朱雀などが見受けられることから、大陸の影響が認められます。また、馬の図面や馬具が複数出土しているため、被葬者は馬に強い関心を持つ人物であると考えられています。
古墳は、内部に入れないところが多い傾向です。しかし、竹原古墳は内部を見学できるため、発掘当時の状態を見学できる貴重な古墳です!
仙道古墳(朝倉郡)
引用:https://www.town.chikuzen.fukuoka.jp/
名称 | 仙道古墳 |
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所在地 | 福岡県朝倉郡筑前町久光102 |
アクセス | Google Map |
公式HP | 詳細はコチラ |
九州では珍しい盾持武人埴輪が完全な形で出土したことで知られる装飾古墳です。国史跡に指定されています。
仙道古墳は6世紀に造られた、2重の周溝を持つ円墳です。古墳の大きさは、径49m・墳丘径35m・高さは復元前で2.5mほどあります。古墳周囲には「柵型円筒埴輪」や「盾持武人埴輪」がぐるりと配置されているのが特徴です。
現在設置されている埴輪はすべてレプリカで、実物はレプリカの約2倍の大きさあるそうです!仙道古墳の石室には、赤色または緑色をした丸や三角などの不思議な絵文が描かれています。古代人が後世に残したかった思いなどを想像して楽しんでみてはいかがですか。
毎年秋のみ、装飾石室の見学が可能です!また、東屋に一般公開されている原寸大の石室模型があります。あわせて見学してみてください。
新原・奴山古墳群(福津市)
引用:https://www.okinoshima-heritage.jp
名称 | 新原・奴山古墳群 |
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所在地 | 福津市奴山616 |
アクセス | Google Map |
公式HP | 詳細はコチラ |
1600年〜1400年ころに造られた合計41基からなる古墳群です。円墳35基・方墳1基・前方後円墳5基が現存しています。
新原・奴山古墳群は、宗像地域を支配していた豪族「宗像氏」が造った古墳群です。宗像氏は、優れた航海術を保持していたため、対外交流に従事していました。実は、宗像は日本における最初の国際港であったと考えられています。
宗像氏は「沖ノ島」で祭祀を執り行い、やがて宗像三神を祀るようになります。福岡で有名な「宗像大社」は、宗像氏が造った神社です。宗像大社のおかげで、今でも宗像では三女神の信仰が続いていると考えられています。
古来の姿がそのまま現存する古墳群を、散策しながら楽しんでみてはいかがですか。
沖ノ島は「神宿る島」と呼ばれ、2017年に沖ノ島と関連遺跡群が世界遺産に登録されました!
子連れでも行きやすいのは福岡各所にある古墳公園
古墳公園は遊べるだけでなく、歴史に興味を持つきっかけになります!ここでは、子連れでもいきやすい古墳公園をピックアップしました。
- 山ノ鼻古墳公園
- 丸ノ口古墳公園
- 五郎山公園
- 平成の森公園
- 大塚古墳歴史公園
- 胴ノ元古墳公園
引用:Google Map
子連れで行くなら「山ノ鼻古墳公園」がおすすめです!ロープで作られているジャングルジム・ワイド滑り台・スプリング遊具・砂場などが設置されています。そのため、子どもが思う存分遊べる公園です!
山ノ鼻古墳公園は、福岡市西区にあるイオンモール伊都のすぐ隣です。遊んだ後は、イオンモール伊都で買い物をしたり、お食事をしたりできます。休日に子どもと出かけるのに適した公園です!
公園の隣にある山ノ鼻1号墳は、墳丘の長さ約37m、後円部の径は約21mの前方後円墳です。4〜6世紀に今宿平野の南側で力を持った、首長の墓であると考えられています。
楽しく遊べるだけでなく、となりに古墳があるため、歴史について興味をもつきっかけ作りに繋がります。歴史についても学べるおすすめの古墳公園です!
古墳に関するイベントなら『ふくつの古墳まつり』がおすすめ
引用:https://fukutsu-kofun.localinfo.jp/
「ふくつの古墳まつり」は福岡で唯一の古墳に関するイベントです!福津市で毎年3月に開催されます。「古墳を学ぶ」「古代の体験」がテーマのイベントです。
イベントでは、市の職員から古墳採掘についてのお話を直接聞けます。さらに、ガイドによる古代衣装の解説や、古墳の案内イベントへの参加が可能です!
ほかには、古代人の食べ物の味を再現した「飛鳥汁と古代米おにぎり」の提供や、火おこし、弓矢的当てなどを実施しています!「ふくつの古墳まつり」でしか体験できない、さまざまなイベントが用意されているので、楽しめること間違いありません!
楽しみながら、国史跡に指定されている古墳群についても学べる、おすすめのイベントです!子どもの教育の場にもなるので、ぜひ足を運んでみてください!
まとめ|福岡の歴史を感じられる古墳を見に行ってみよう!
福岡は全国でも古墳が多い都道府県です。最近では、テレビや本で紹介されているため、ちょっとした話題をよんでいます。
古墳は歴史を身近に感じられる場所です。くわえて、古代人の想いに思考を巡らせたり、壁画を見て楽しんだりできる、日常と少し距離をおける場でもあります。そのため、歴史が好きな方だけでなく、日々の喧騒から抜け出し、リフレッシュしたい方にもおすすめです。
本記事を執筆する中で、私が住んでいる地域にも古墳があることが分かりました。休日に訪れてみようと思います。みなさんも、住んでいる地域に古墳があるかもしれませんよ。ぜひ、探してみてください!