連載企画:福岡の裏側〜わたしたちが知らない福岡の魅力〜
福岡で複数店舗を展開する、人気チーズケーキ専門店の「KAKA」。今回は桜坂店にて、KAKA創業者の庄司さんに取材させていただきました。
桜坂店のカフェスペースには大きな一本のツリーがあり、ゆったりくつろげる空間でチーズケーキがいただけます。職人さんたちがチーズケーキを作る姿も、お客様の喜ぶ顔も見える、ガラス張りのカウンターも目を惹きます。
一体どんな形でKAKAが開業されたのか?どのようにして、KAKAのチーズケーキが誕生したのか?KAKA創業者の庄司さんへお話をお伺いしてきました。
福岡の裏側:今回のテーマ
1.KAKAの開業について
2.チーズケーキの開発やこだわりを教えてください!
3.ズバリ!KAKAの魅力とは?
\今回のゲスト:庄司 恵美子さま/
KAKA cheesecake store 専務取締役
中村調理製菓専門学校を卒業後、調理師免許を取得。卒業して飲食の仕事に就く。結婚を機に専業主婦となり3人の子供を育てる。
2017年3月にKAKA大名店を立ち上げ、今は福岡と広島に店舗を構える。
当サイト、福岡ローカルメディア「なるほど福岡」の取材を担当。
食べること・遊ぶこと・寝ることが大好き。
いつも元気な3児のママです。
KAKAのはじまり〜3人の子育てをしながら大名店をオープン〜
まずはKAKAを開業された時の話を教えてください。
調理師専門学校卒業後、飲食業界で働いていましたが、結婚を機に仕事を辞めていました。子供が3人おり、一番下の子が保育園に入れるようになった時、約8年前に大名店を開業しました。
「1人でできる、小さなお店を持ちたい」っていうのがスタートだったんです。
子育てをしながらの開業、きっと大変だったと思います…!
チーズケーキのお店にしようというきっかけは何ですか?
実は私、甘いものが苦手なんですが、子どもたちに作っていたチーズケーキを元に、ひとりで大名店を始めました。
当初はチーズケーキ専門店が少なかったので、いろいろなフレーバーや焼き方を試してみましたね。メニューには8種類のチーズケーキを用意しました。
甘いものが苦手だったんですか!?
そうなんです。私は元々お酒が好きで、お酒にあうスイーツを作りたいというのもありました。
私はお菓子作りの経験が少なかったんですが、子どもたちがチーズケーキを美味しいと言ってくれたのがきっかけです。夫が女性の働きに理解があり、自分の好きなことを仕事にできました。
確かに、KAKAにはワインに合うようなチーズケーキもありますよね!
ちなみに開業当初、製造も接客もおひとりでされていたんでしょうか?
最初は大名店で家庭用のオーブンを2つ重ねて、1人でケーキを焼いて、カフェのレジも全部1人でやっていました。オープン当初は1人で全てをこなしていましたね。
すごい…。1人で切り盛りするのは大変でしたね。
はい、休むこともできず、体調を崩すこともありました。
祖母が亡くなった時も、博多駅でイベントがあったんです。通夜の後に24時間ケーキを焼いて、少ししか眠る時間がありませんでした。
それでも、仕事が苦になることはありませんでしたか?
はい!お客様に喜んでもらえることが励みになりました。
KAKAのチーズケーキのこだわりと商品開発について
チーズのこだわりは「チーズそのものの味を大切に」
チーズケーキといえば、チーズの仕入れや味のこだわりについてお伺いしたいです!
チーズにはこだわっていますね。粉や卵の量を増やすのではなく、チーズそのものの味を大切にしています。
例えば4種類のチーズを使ったチーズケーキは、チーズ好きのために作っています。私たちの店ではスフレ系の軽いチーズケーキは出さず、ずっしりと重いタイプのチーズケーキを提供しています。
確かに、KAKAのチーズケーキといえば、ふわふわ食感ではなくずっしり重めのものが多い印象です!しっかりチーズを味わっている感覚があります。
オープンまで半年間の試作を重ねたチーズケーキ
メニュー開発にあたって、大変だったことはありますか?
私はスイーツを作る仕事の経験がなかったので、半年間は理科の実験のように試作を重ねました。チーズと砂糖の配合を試して、どれくらいの甘さになるのか。お客さまのために中途半端なものは出せないと思っていました。
たくさんのチーズを使い、試作して、食べられないものも多かったんですが、納得できるものができた時は感動しましたね。
半年間も試作を重ねられたんですね…!
失敗や知識がないからこそ生まれたチーズケーキたち
いろんな種類があるKAKAのチーズケーキですが、どのようにしてアイデアは生まれたんですか?
失敗から生まれたり、知識がないからこそできた商品もあります。
「プレミアムKAKA」という黒いチーズケーキがあるんですが、チョコチップをチーズケーキに入れるのは、製菓の勉強をした方には考えられない製法でした。いまでは人気商品になっています。
あと、初めてバスクチーズケーキを作ったときは8年前で、当時はあまり世に知られていませんでした。後に某コンビニエンスストアが流行らせたことでメジャーになりました。
そうだったんですね!となると、福岡でバスクチーズケーキを最初に作ったといっても過言ではない…!?
バスクチーズケーキがなんなのか、販売当初は説明が必要でした。後に某コンビニエンスストアが広めたおかげで説明不要になりました。
ちなみに、スペインのバスク地方のバルで作られたバスクチーズケーキも、失敗から生まれたものです。
※バスクチーズケーキ:ある職人がうっかり焦がしてしまったところから生まれたチーズケーキ
なるほど!失敗作から生まれた商品も多いんですね。
一番作るのが大変だったのは「ゴルゴンゾーラ」
そうだったんですね。ちなみに、一番苦労した商品はありますか?
一番大変だったのは「ゴルゴンゾーラ」のチーズケーキです。
いろんなフレーバーを試してきましたが、これは手間がかかりました。ゴルゴンゾーラは私が好きだったので、どうしてもお酒にあうものを作りたくて取り入れてみました。ただうまく進まず、諦めてスタッフに任せることにしました。笑
なるほど!KAKAのチーズケーキは、庄司さんだけでなく優秀なスタッフさんによっても生まれているんですね。
はい!試作を重ねる中で、スタッフが教えてくれたり、美味しく改良していったものもあります。
いち押しはシンプルなチーズケーキ「KAKA」
開発についていろいろお話聞かせていただきありがとうございます!
ちなみに、庄司さんのおすすめ商品は何ですか?
私のおすすめですか?私はやっぱり基本に戻って「KAKA」ですかね。
最初に作ったプレーンのチーズケーキです。
お客様の人気No.1もKAKAですね。オンラインでの人気もそうですし、季節ものの商品をいろいろ味わってみたけど、結局KAKAに戻るという話もよく聞きます。
ありがとうございます!やはりシンプルなものに戻るんですね。
KAKAの魅力は「お客様あってのKAKA」
ズバリ!KAKAの魅力は何ですか?
魅力は「お客様が私たちの店を作ってくれている」と思っています。
私たちが提供するのは商品で、お客様が売り上げを生み出し、どの商品が美味しいか、何が売れるかを決めてくれています。8年間、ずっとそう思ってきました。
お客様と共にですね。
はい。だからこそ、スイーツのために買いに来るお客様の姿を、製造スタッフに見てほしいんです。お客様にもチーズケーキを作っている様子が見えるよう、厨房をガラス張りにしました。
作っている人の姿も見えるし、お客様の喜ぶ顔も見える素敵な店内です!
これからのKAKAの展望
これから挑戦していきたいことなどありますか?
いろいろ挑戦していきたいです!私が仕事を始めたきっかけは、30代で子育てが中心になり、仕事ができないもどかしさがあったからです。
だから誰かが私の姿を見て、女性でも頑張れると思ってもらえたらいいですね!いまは自分のゴールを決めて、そこに向かっています。
なるほど!ちなみに、庄司さんの中でのゴールとは?
事業の内容はまだ言えませんが、今までにないことに挑戦していきます!
また、私は人と触れ合いながら仕事をしたいと強く思っていました。人が好きで、お客さんに喜んでもらえることが嬉しいです。自分のことを楽しみながら、お客様に喜ばれるお店作りを目指します。
庄司さん、貴重なお時間をいただきありがとうございました!
今回のインタビュー先:KAKA桜坂店 店舗情報
店名 | KAKA cheesecake store 桜坂店 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 年中無休 |
所在地 | 福岡市中央区六本松3丁目1-58 リード桜坂101-102 |
アクセス | Google Map |
公式 | 詳細を見る |
編集部より
今回はKAKA桜坂店へお邪魔し、創業者の庄司さんへお話をお伺いしてきました!
お話がとにかく楽しくて面白くて、ものすごく心地の良い時間でした。
庄司さんはとにかくパワフル!ご自身のことを「”出世魚のブリ”と一緒よ!動き続けて止まらない!脂がのっておいしいの」と語るぐらいお忙しいお方です。
KAKA以外にも飲食店を2店舗されていて、その店舗ごとにご自身を切り替えながら楽しんでる様子を、イキイキしながら語ってくださいました。
とにかく人と関わって、お客様のために、みんなのためにと、ご自身も楽しみながらの人生を謳歌しているのが伝わってきました。
これからも、もっともっと挑戦し続けて欲しいです。
庄司さん、お忙しい中ありがとうございました。