福岡県民がふと発する「さんのーがーはい!」、初めて聞く人は「どんな意味?」「何それ?」と驚くことでしょう。
「さんのーがーはい」は、福岡でよく使われるかけ声です。
標準語にすると「せーの」と同じような意味で、重い物を複数人で持ち上げるときなどに使われます。
実はこの「さんのーがーはい」、福岡県民でも方言と知らない人がいるくらい福岡県民に自然に馴染んでいる言葉です。
「さんのーがーはい」の語源や実際に使う場面など、独特なかけ声「さんのーがーはい」を深掘りしていきます!
「さんのーがーはい!」を使うのは福岡だけ!?
「さんのーがーはい」が方言だということを、多くの福岡県民が知るきっかけとなったのが秘密のケンミンSHOWです。
秘密のケンミンSHOWで「福岡県民はいっせーのーせをさんのーがーはいと言う」と放送され、多くの福岡県民が「え〜!さんのーがーはいって方言なの?」と驚きました。
かくいう筆者も「さんのーがーはい」と言うのが福岡県民だけとは知りませんでした……。
また、Wikipediaには北九州弁として「さんのーがーはい」が紹介されています。
筆者は生まれてからずっと福岡市内に住んでいますが、福岡市内でも「さんのーがーはい」は定番です!
由来は何?さんのーがーはいの語源
語源がまったく想像できない「さんのーがーはい」ですが、一説によると、歌を歌うときのかけ声「さん、はい!」が語源と言われています。
また、ほかにも「せーの」の語源である「さいの来い」が「さんのー来い」に変化し、最終的に「さんのーがーはい」になったという説もあります。
しかし、どの説も有力な根拠があるわけでなく、あくまでも「一説」に過ぎません。
「さんのーがーはい」の語源を知っている!という福岡県民の方は、ぜひなるほど福岡編集部にご連絡ください!
さんのーがーはいを実際に使う場面とは?
「さんのーがーはい」を使うのは、主にタイミングを合わせたいときです。
- 重い物を持ち上げるとき
- 大縄跳びを始めるとき
- カメラのシャッターを切るとき
ちなみに、物を持ち上げるときなどは「さんのーがーはい」の「はい」の部分で持ち上げます。
大縄跳びの縄を回し始めるのも「はい」、カメラのシャッターを切るのも「はい」のタイミングです。
「さんのーがーはい」を初めて聞いた人は、きっとタイミングがつかみにくいでしょう。
「さん、のー、がー、はい」を、それぞれ「さん、にー、いち、はい」と変換すると分かりやすいはずです!
福岡の掛け声「さんのーがーはい」と他県との違い
かけ声の方言があるのは福岡だけではありません。
- 大阪「いっせーのーで!」
- 愛知「せーのーで!」
- 三重「せーのーでーわっ!」
- 鹿児島「いっちゃのーがせい!」
- 熊本「せーのがさんはい!」
上記のように、全国でさまざまなかけ声のバリエーションがあります。
同じ九州内でも、鹿児島の「いっちゃのーがせい!」や熊本の「せーのがさんはい!」など、福岡の「さんのーがーはい」とは似ているようで違うかけ声です。
出身が違う人同士がタイミングを合わせるときには注意が必要ですね……!
掛け声として他によく使う博多弁
福岡で使われるかけ声の方言は「さんのーがーはい」以外にもあります。
- さんはい
- せーの
- ヤー!
- オイサ!
「ヤー!」や「オイサ!」は使う場面が限定的です。それぞれのかけ声についてご紹介します。
さんはい
「さんはい」は、主に音楽の授業で歌い出すときに使われるかけ声です。
イメージとしては「さん、はい♪」という感じでしょうか。
この「さんはい」というかけ声は、福岡だけでなく全国的に使われているという声もあれば、関東では「さん、し!」というかけ声が使われているなど諸説あります。
一般的に、西日本ではよく使われているかけ声です。
せーの
「せーの」は「さんのーがーはい」と同じ意味で使われるかけ声です。
「さんのーがーはい」よりも短いため、急いでいるときやすごく重い物を持ち上げるときに使用します。
「せーの」は福岡だけでなく、全国的に使われているかけ声です。
出身の違う人同士がタイミングを合わせるときには「せーの」だと合いやすそうですね!
ヤー!
「ヤー!」は福岡県民なら必ず知っているかけ声です。主に、小学校の体育の授業で使います。
体育座りから立ち上がるときや、広がるときなどに「ヤー!」と言うのです。
- 先生「全員、立て!」子どもたち「ヤー!」
- 先生「体操できる隊形に開け!」子どもたち「ヤー!」
筆者の通っていた学校では、「ヤー!」の声が小さいとして、先生から注意されたりやり直しをさせられたりすることもありました。
「ヤー!」は、かなり独特なかけ声なため、テレビなどでもたびたび話題になります。
オイサ!
「オイサ!」は、福岡の夏の風物詩「山笠」を始めとしたお祭りなどで使われるかけ声です。
「オイサ!オイサ!」と短く発音し、山笠を舁く男衆が発します。
この「オイサ!」は「オッショイ」を短く縮めたことが由来と言われています。
重い山笠を担ぐには、「オッショイ」では長くて合わせにくいということで、短縮された「オイサ!」が使われるようになったという説が有力です。
まとめ|福岡の面白い掛け声「さんのーがーはい!」を深掘りしてみた
福岡県民だけが使うかけ声「さんのーがーはい」について深掘りしました。
「さんのーがーはい」は重い物を持ち上げるときや、写真を撮るときなどタイミングを合わせたいときに使います。
初見だとタイミングがつかみにくいですが、「さん、にー、いち、はい!」とイメージすると、タイミングを合わせられるはずです。
福岡県民とタイミングを合わせる機会があれば、ぜひ「さんのーがーはい」を使ってみてください!